馬の話です。

少し前のことになりますが。
独身時代に、乗馬関係の繋がりで夫を通じて知り合いになった
岩手の友人、岩間敬くんが、東京で「馬搬(ばはん)」について講演すると聞いて、
実に・・・・・16年ぶりに、会いに行きました

会場は、新宿の日本興亜損保ジャパンの本社ビル!
この日は、損保さんの市民向け環境プログラムの一環で、
主に若者を対象にした“未来の仕事の形”を考える参加型ワークショップで、
三名のスピーカーが、それぞれのお仕事である
「国際NPO」「農業」「馬」のお話をしてくれました。

3-2
馬搬について、ギャグを交えて熱く語る岩間くん

カーボンオフセットとか、ブランディングなんていう
ビビットな単語を駆使して、フランスやイギリスへ招聘された様子など!
パワーポイントでサクサクと紹介するタカシ君。。。
私の旦那になった人と、一緒に甲冑着て「和鞍ケツ痛てぇ~」って言いながら
駒を並べていたなーなんてぼんやり思い出しながら、最前列で聴いていました^^

岩間くんは、知り合った当時は乗馬のインストラクター資格を取得中でしたが、
今は、故郷であり古くから馬産地でもある遠野で、2010年に設立した
遠野馬搬振興会「馬力舎」の代表を務めています。



  ・・・馬搬(地駄曳き)とは・・・ ~馬力舎パンフレットより転載~

地駄曳きとは、山から木を運び出す作業のことです。
馬を使うことで、山をいためることなく作業ができ、山を守ることになります。

馬も山も大事にする、この素晴らしい技術を残そうと、私たちは活動しています。
先人達が苗を植え、私達に残してくれた偉大な財産を受け継ぎ、手入れし、
次世代へつないでいくのが、私たちの責務だと考えています。 
岩間敬

さらに、岩間くんの馬搬への想いを知りたい方は、
こちらにインタビュー記事があります^^


農業もしながら馬と共に山で働き、地域の伝統である馬搬技術の伝承・宣伝・普及のため
全国各地へ実演、講演に飛び回る暮らし。

何がすごいってね。。。
馬と関わったきっかけが、自分の名前が「敬」だから、「馬」にのったら「驚」
何かびっくりするようなことがあるんじゃないかな?
って思って乗ってみたんですって~(笑)

そのびっくりするようなことを、やり遂げてしまう岩間くん。
なんと、「馬で一番になってみよう」と思って、本当に実現してしまいました。

当初、馬術の腕を磨いてオリンピックに出ようかと思ったそうですが!
彼の興味は、馬に乗ることに留まらず、馬車を御する技もマスターし、
生まれ故郷の遠野に帰って、馬の繁殖(種付け場が徒歩圏内とか!)にも携わり、
さらにある時、機械の入れない山から木を切り出す必要ができて、方法が分からず、
実際に地駄曳きをしている現場を見学したところ、馬で遊んだりスポーツするより、
馬で生産性のある仕事をすることに、格段の面白さを見出したのだそう。

3-4

山から木を切り出す仕事を馬で行っている 現役の馬方さんはもはや数名。
高齢化が進んでおり、伝承者がいないと衰退してしまう技術なのです。
そこに、岩間くんは師匠2人の元に、愛馬と共に弟子入りして研鑽を積み、
2011年にはホースロギング(馬搬)のイギリス大会に、日本代表として渡英、
そして技術コンテストシングル部門で見事に優勝してしまいました!!

彼曰く、「お土産を買う余裕はないけど、入賞でもすれば
“土産話”くらいはできるかなー?」って(笑)。
本場の馬搬文化を視察し、英国王室の厩舎にも招かれたそう~

そして全英チャンピオンとして、欧州選手権大会でも7位入賞ですよ!!!

「馬搬の競技人口は乗馬より少ないですから、確率は高いわけですよー
借りた馬がとてもいい馬でしたしー^^」
なんて謙遜していましたが、知らない馬と短時間でコミュニケーションをとって、
言葉も不自由なアウェーで戦うわけですし、ヨーロッパの馬文化は層が厚いですから、
まぐれで勝つなんてことはあるわけもなく、
結果は、並大抵の努力では出せないものだと容易に想像がつくものです。

どうしてそんな風に次々に夢を叶えてゆけるんですか?という若者からの質問に、
「乗馬と馬車の技術、馬の繁殖・飼養管理、さらに農業や炭焼きなどの山仕事もやてきたので、
それぞれの経験や、人脈が、とても助けになっている・・・
けれど、一応下積みはきっちりやってきてますし、こう見えてちゃんと馬にも乗れますよ♪」
と笑顔で答える岩間くん。ステキすぎます。
会場に、岩間ファンクラブができて、囲まれていましたよ(^^ゞ


全く気負うことなく、自分にできることを日々淡々とこなしながら、
思い描いた夢をどんどん実現してしまう姿。ほんとうに、すごい人です!
馬に関わる人の中でも、彼は本物のホースマンなんだなと、
すぐ後からエスカレーターに乗った時の、
厩の人特有の足、でっかい背中を見ていて、思いました。


人を驚かせること、笑顔にすることが大好きな、少年みたいな敬くん。

馬で伐り出した木「ホースロギングウッド」を使って、
馬搬を普及させるための色々な商品も開発しています。

3-5
バッジじゃないよ!「馬ッジ」!!(笑)


3-3
何となく“馬っぽい”形のものって、惹かれないけど
ちゃんと馬を知ってる人の造形は“馬らしい”から好き♪

馬蹄形のカッティングボードや、家具など、
大きな木工品のラインナップもあるそうです。
手ぬぐいや、Tシャツなどもあり、デザインは奥様が手掛けられているそうで、
農産物も、馬糞堆肥で作ったお米「馬米(うまい)」など、
馬に引っかけたダジャレの効いた、素敵なネーミングのものがいっぱいです♪


「人の生活に馬が組み込まれて、経済活動として持続的に稼働すれば
馬は仕事することで自分の飼育代を稼ぐことができるし、
エネルギーは化石燃料ではなく草なので、エコだし、
馬が仕事をする景色は美しいし、すごく楽しいと思う」という岩間くん(写真右)。
3-1

左は、農家リノベーターの吉岡龍一さん。
この秋、房総に活動拠点を移されたそう!

私は身長159㎝で、標準サイズですが、
逞しいお二人に挟まれると、小柄に見えますねぇ(笑)


我が家も、いつか馬を家に迎えたいと思って準備中ですが、
農業もしていることですし、ただ馬を愛玩用として飼うのではなく、
「農的な暮らしの中に“仕事をする馬”」というのも、いいな。。。

馬耕について知ったことで、また更に、
やってみたいことが増えてしまいました。