・馬・馬小屋

旅行記1(遠野1日目) 馬搬体験

2016.7.22

「馬の里」遠野で馬搬をしている友人を頼って、
初めての、夜行バスでの岩手入りです

前夜23時に浦和美園駅から乗ったバスの車窓から、
空が白んでゆくのを眺めていました。

吉田 智子さんの写真

夜行高速バスは夏休みに入るか入らないかのタイミングだったこともあり、
比較的 空いていて、7時間半の乗車は 思ったより快適でした。

短い夢を見ては目覚める長い旅。。。


6:30遠野駅でバスを降り、馬搬協会の岩間敬君とおち合い、
早速、敬君の厩舎に案内してもらいました。
敬君のパートナー、あのサムライキング
お食事中で、“構ってくれるな”オーラを出しておりました(笑)

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馬の後ろに荷を引かせる「馬搬」の練習相手になってくれたのは
彼が調教中の3才牝馬のミサキちゃんです。

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彼女は、日本在来の南部馬とブルトン、ペルシュロンといった重種(大型馬)の血が掛け合わされているため、体型は力仕事向きでも大きすぎず、性格は温厚で驚きにくい、馬搬向きの血統です。

最初にロングレーン(長手綱)で 倒木の丸太がゴロゴロ置いてある原っぱへ。
敬君の指示で、丸太も上手に跨ぎ、波トタンも難なくバリバリと踏んで、斜面や林のヤブの中へも躊躇なく進むミサキちゃんには驚きましたが、更に後ろに丸太を付けても同じように沈着な動き。

障害物や側溝は、いちいち通過するためのサインは出さなくても、前進と方向を指示したら、馬が自分で脚元の状況判断をして四つ脚をさばいています。これは、山に入ってどんな状況に遭遇しても、本能的に驚いて逃げ出したりせずに どう行動すべきか自分で考える馬になるための、馬の職業訓練です。


長い綱が脚元にぐるぐる絡まっても、目や耳のそばでビュンビュン縄をまわしたり、ピシャリと当たっても平気!

敏感で驚きやすい乗馬クラブのサラブレッドに慣れ親しんだ身には、頭では理解していても、この違いは聞きしに勝るもので、とても感激しました。


敬君に教わって、ロングレーンで同じことをさせてもらいましたが、乗って操作する感じと、馬の後ろに立って操作するのとでは、原理は同じでも、感覚は違っていて戸惑いましたが、ミサキちゃんが協力的で感激しました。

主に、馬のお尻が目の前にあるので、馬の前が見えないことが、行きたい方から逸れたり、首を下げて草を食べられたりする原因なのかなと思いましたが、視覚的なことより、もっと感覚的なことだと教わり、もっと練習を積みたくなりました。深い‼️



「バトンタッチしてすぐ。」
まだ、何をどうしていいのか分かってない状態・・・

「腕と腰の使い方がわかってきた頃。」
腰と腕の使い方が分かってきた頃。

「乗馬クラブの歩幅に合わせてきれいに並べられた横木と違って、ランダムに丸太がゴロゴロ置いてある練習場。」
「3歳に乗るのは初めて。ミサキちゃんも、まだ人を10回も乗せていない調教初期ながら、この後ヤブに入っても大丈夫でした。」
3歳に乗るのは初めて。ミサキちゃんも、まだ人を10回も乗せていない調教初期ながら、この後ヤブに入っても大丈夫でした。

コンテナが来た!

2016.7.13 
仕事も昼抜きで終わらせて、ソワソワ帰宅した理由はコレ。
馬の餌や馬具をしまうための、中古コンテナの荷受けです。

コンクリート壁の 馬のレリーフは、残念ながら今日で見納め。
雨予報が外れて、濃霧で済んでラッキー


鍵付きシャッターと、色指定の塗装をオプションで追加したら、
私の緑の車より高い買い物になったけど……
大きい割に 周囲の景色に溶け込んでいて、よかったです

余裕ができたら、何か描こうかな〜

「ユニックで吊りながら、置く位置を微調整。」
「設置して、シャッターの動作確認。」
「この服、見事に周囲のカラーと同じ‼️笑」
バックの色と、私の装いが、
上から下まで見事に被ってました!!(笑)

敬う、うやまう、うまやう・・・・

馬の話です。

少し前のことになりますが。
独身時代に、乗馬関係の繋がりで夫を通じて知り合いになった
岩手の友人、岩間敬くんが、東京で「馬搬(ばはん)」について講演すると聞いて、
実に・・・・・16年ぶりに、会いに行きました

会場は、新宿の日本興亜損保ジャパンの本社ビル!
この日は、損保さんの市民向け環境プログラムの一環で、
主に若者を対象にした“未来の仕事の形”を考える参加型ワークショップで、
三名のスピーカーが、それぞれのお仕事である
「国際NPO」「農業」「馬」のお話をしてくれました。

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馬搬について、ギャグを交えて熱く語る岩間くん

カーボンオフセットとか、ブランディングなんていう
ビビットな単語を駆使して、フランスやイギリスへ招聘された様子など!
パワーポイントでサクサクと紹介するタカシ君。。。
私の旦那になった人と、一緒に甲冑着て「和鞍ケツ痛てぇ~」って言いながら
駒を並べていたなーなんてぼんやり思い出しながら、最前列で聴いていました^^

岩間くんは、知り合った当時は乗馬のインストラクター資格を取得中でしたが、
今は、故郷であり古くから馬産地でもある遠野で、2010年に設立した
遠野馬搬振興会「馬力舎」の代表を務めています。



  ・・・馬搬(地駄曳き)とは・・・ ~馬力舎パンフレットより転載~

地駄曳きとは、山から木を運び出す作業のことです。
馬を使うことで、山をいためることなく作業ができ、山を守ることになります。

馬も山も大事にする、この素晴らしい技術を残そうと、私たちは活動しています。
先人達が苗を植え、私達に残してくれた偉大な財産を受け継ぎ、手入れし、
次世代へつないでいくのが、私たちの責務だと考えています。 
岩間敬

さらに、岩間くんの馬搬への想いを知りたい方は、
こちらにインタビュー記事があります^^


農業もしながら馬と共に山で働き、地域の伝統である馬搬技術の伝承・宣伝・普及のため
全国各地へ実演、講演に飛び回る暮らし。

何がすごいってね。。。
馬と関わったきっかけが、自分の名前が「敬」だから、「馬」にのったら「驚」
何かびっくりするようなことがあるんじゃないかな?
って思って乗ってみたんですって~(笑)

そのびっくりするようなことを、やり遂げてしまう岩間くん。
なんと、「馬で一番になってみよう」と思って、本当に実現してしまいました。

当初、馬術の腕を磨いてオリンピックに出ようかと思ったそうですが!
彼の興味は、馬に乗ることに留まらず、馬車を御する技もマスターし、
生まれ故郷の遠野に帰って、馬の繁殖(種付け場が徒歩圏内とか!)にも携わり、
さらにある時、機械の入れない山から木を切り出す必要ができて、方法が分からず、
実際に地駄曳きをしている現場を見学したところ、馬で遊んだりスポーツするより、
馬で生産性のある仕事をすることに、格段の面白さを見出したのだそう。

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山から木を切り出す仕事を馬で行っている 現役の馬方さんはもはや数名。
高齢化が進んでおり、伝承者がいないと衰退してしまう技術なのです。
そこに、岩間くんは師匠2人の元に、愛馬と共に弟子入りして研鑽を積み、
2011年にはホースロギング(馬搬)のイギリス大会に、日本代表として渡英、
そして技術コンテストシングル部門で見事に優勝してしまいました!!

彼曰く、「お土産を買う余裕はないけど、入賞でもすれば
“土産話”くらいはできるかなー?」って(笑)。
本場の馬搬文化を視察し、英国王室の厩舎にも招かれたそう~

そして全英チャンピオンとして、欧州選手権大会でも7位入賞ですよ!!!

「馬搬の競技人口は乗馬より少ないですから、確率は高いわけですよー
借りた馬がとてもいい馬でしたしー^^」
なんて謙遜していましたが、知らない馬と短時間でコミュニケーションをとって、
言葉も不自由なアウェーで戦うわけですし、ヨーロッパの馬文化は層が厚いですから、
まぐれで勝つなんてことはあるわけもなく、
結果は、並大抵の努力では出せないものだと容易に想像がつくものです。

どうしてそんな風に次々に夢を叶えてゆけるんですか?という若者からの質問に、
「乗馬と馬車の技術、馬の繁殖・飼養管理、さらに農業や炭焼きなどの山仕事もやてきたので、
それぞれの経験や、人脈が、とても助けになっている・・・
けれど、一応下積みはきっちりやってきてますし、こう見えてちゃんと馬にも乗れますよ♪」
と笑顔で答える岩間くん。ステキすぎます。
会場に、岩間ファンクラブができて、囲まれていましたよ(^^ゞ


全く気負うことなく、自分にできることを日々淡々とこなしながら、
思い描いた夢をどんどん実現してしまう姿。ほんとうに、すごい人です!
馬に関わる人の中でも、彼は本物のホースマンなんだなと、
すぐ後からエスカレーターに乗った時の、
厩の人特有の足、でっかい背中を見ていて、思いました。


人を驚かせること、笑顔にすることが大好きな、少年みたいな敬くん。

馬で伐り出した木「ホースロギングウッド」を使って、
馬搬を普及させるための色々な商品も開発しています。

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バッジじゃないよ!「馬ッジ」!!(笑)


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何となく“馬っぽい”形のものって、惹かれないけど
ちゃんと馬を知ってる人の造形は“馬らしい”から好き♪

馬蹄形のカッティングボードや、家具など、
大きな木工品のラインナップもあるそうです。
手ぬぐいや、Tシャツなどもあり、デザインは奥様が手掛けられているそうで、
農産物も、馬糞堆肥で作ったお米「馬米(うまい)」など、
馬に引っかけたダジャレの効いた、素敵なネーミングのものがいっぱいです♪


「人の生活に馬が組み込まれて、経済活動として持続的に稼働すれば
馬は仕事することで自分の飼育代を稼ぐことができるし、
エネルギーは化石燃料ではなく草なので、エコだし、
馬が仕事をする景色は美しいし、すごく楽しいと思う」という岩間くん(写真右)。
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左は、農家リノベーターの吉岡龍一さん。
この秋、房総に活動拠点を移されたそう!

私は身長159㎝で、標準サイズですが、
逞しいお二人に挟まれると、小柄に見えますねぇ(笑)


我が家も、いつか馬を家に迎えたいと思って準備中ですが、
農業もしていることですし、ただ馬を愛玩用として飼うのではなく、
「農的な暮らしの中に“仕事をする馬”」というのも、いいな。。。

馬耕について知ったことで、また更に、
やってみたいことが増えてしまいました。

馬小屋の建築 1 (基礎~屋根~壁)

11/23は、昨年に引き続き、わこう村大バザール
「馬小屋」として、出店してきました!

燻製サンドと串焼きベーコン、シフォンケーキ、渋皮煮、栗のタルト、
たくさんの方にお買い上げいただき、
本当にありがとうございましたm(__)m

・・・ところで、「お店の屋号がなんで馬小屋なの?」「馬小屋、どうなったの?」
ってよく聞かれますで、今日はお礼を兼ね、進捗状況の説明を(^^ゞ
(馬についてはこちらをご覧ください)

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基礎から壁を立ち上げ、コンクリ打設(生コン車→ユンボのバケット→型枠に流す)2013.8

この年の秋より、和光保育園バザールに出店。

お店の名前が「馬小屋」なのは、売り上げを建築に充てているためです(^v^)


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自家製ベーコンサンドが、鉄骨に化けました!

主人の実家で溶接加工しておいたパーツを、組み上げます。

鉄骨は重量があるので、慎重に作業。地上で誘導する私も命がけです。 2014.3.16

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屋根板張り。伸ばした脚立を、重い板を抱えて上がる主人!勾配もあるし、足はパンパン。

下から板を渡す私の腕も当然ムキムキ。首と肩を繋ぐラインがね、なだらかになってきたのは気のせい・・・


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今はなき、私のミニカを駐車してみました。車が小さいので、よけいに小屋が大きく見えますが・・・・

どんな大きな馬を飼う設計なんだろう!? 

聞いてみたら、設計図は頭の中にあるので描いてはいないのだとか! 2014.4



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板を張ったら、屋根下地でしっかり防水して、銅の水切りも回し、墨付け。

予算の都合で屋根材はシングル材に。下から上へ張ってゆきます。


左右の端はその都度サイズを測って、切らなければ揃いません。

地上で私がカットし、屋根の上の仙人が釘で留めます。

滑りやすいので、地下足袋を履いていても危険です。 2015.5


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西側(馬場になるところ)から   東側(県道側)から見たところ。
        ↓↓                    ↓↓

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開閉式の通気口と、ガラスサッシも入りました。


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壁をはり終わった小屋内。
馬は暑さに弱いので、天井を高くとっています。


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これは私が建築したモデルハウス。建材はイケアで調達しました。
木も植えて、馬も飼った!うん、理想的(*^。^*) 20013.12

2014年11月までの進み具合はこんな感じです。

皆さんに助けて頂きながらの「馬小屋」。
少しずつではありますが、形になってきました。

本当に、ありがとうございます!!


会ってきました

仙人と魔女の出会った“曰くの”地・・・
いえ、“想い出の”地、山梨に、
久々に出かけてきました。

家作りで、永らく家族旅行はしていなかったので、
(次女は物心ついてから遠出は初めて!?)
「やっと来られた~」という感じ(^_^;)

人参と林檎を持って、
感動の再会です!!

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仙人の秘蔵っ子。
ちょっと丸っこくなって、変わりなく元気でした。

馬齢20歳を超えて、なお高齢を感じさせないのは、
彼の天性の恵まれた体と、何より飼育管理の素晴らしさのなせる業。
本当に有難いことです。

ご厚意で、お父さんお母さんが
交互に引かせてもらいました。


馬房(馬のお部屋)には、競技会の入賞リボンが
いっぱい飾ってあり、皆さんに大事に可愛がられている様子。
ホッとしました。

彼は、丈夫で可愛い、本当に幸運な馬です。


この後は、馬のお祭り「八ヶ岳ホースショーinこぶちさわ」
を、夜の打ち上げ花火まで楽しんできました。


旅行中の修業風景は、また後日に・・・・^^


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魔女

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